職員室の声

走れ メロス 2020(本髙)

2019-12-03

 今年もクリスマスの足音が聞こえてきました。一年間の総括の時節。今年も多くの生徒たちが一生懸命走りました。目を閉じると一人一人の走っている姿が浮かんできます。桜吹雪の中、海に向かって走った日。早朝、蝉時雨の中、苦しくて気絶しそうだったあの日。晩秋を迎え落葉を踏みながら来年こそはと誓った日々。

 

 2年生の国語の授業で最もインパクトがあったのは太宰治の「走れ メロス」。メロスが友人セリヌンテイウスとの約束を果たすために様々な困難を乗り越え、愛と信実の存することを証明する友情物語だ。メロスが途中、挫折して、光と影・絶望と希望・自己肯定と自己否定といった精神の葛藤の場面が最も印象的だ。人はどんな時代に遭遇しようとも自分の人生の目標に向かって走り続けねばならない。それは何より自分自身のためなのだが、時にはそれをも超越して自分を支えてくれる人々のために生き続けなければならない時もある。もうどうでもいい、自分はこんなに頑張ったんだから、俺はどうせこんなもんだろう、などと弱音を吐く時間があればまだやれることをやり続けるべきだ。あのメロスのように!

 

 

(文責;本髙)